関連条令等の解説

土砂災害(特別)警戒区域、土砂災害危険箇所、砂防三法指定区域のちがい

「土砂災害警戒区域等マップ」で確認できる「土砂災害(特別)警戒区域」、「土砂災害危険箇所(土石流危険渓流・地すべり危険箇所・急傾斜地崩壊危険箇所)」、 「砂防三法指定区域(砂防指定地・地すべり防止区域・急傾斜地崩壊危険区域)」の違いは以下のとおりです。

区域名

土砂災害(特別)警戒区域

土砂災害危険箇所※
(土石流危険渓流・地すべり危険箇所・急傾斜地崩壊危険箇所)

砂防三法指定区域
(砂防指定地・地すべり防止区域・急傾斜地崩壊危険区域)

根 拠

「土砂災害警戒区域等における土砂災害対策の推進に関する法律」
(平成13年4月1日施行)

建設省砂防課長通達
(昭和41年10月14日)

砂防指定地…「砂防法」
(明治30年3月30日)
地すべり防止区域…「地すべり等防止法」
(昭和33年3月31日)
急傾斜地崩壊危険区域…「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」
(昭和44年7月1日)

目 的

・土砂災害のおそれのある箇所の周知
・警戒避難体制の整備による土砂災害からの住民の生命及び身体の保護
・危険箇所への新規住宅等の立地抑制

・土地利用等の社会的変化や土砂災害の実態把握
・危険箇所の周知

・ハード対策(砂防堰堤などの整備)
・区域内の一定の行為制限(下記)

調査方法

・2千5百分の1の地形図により机上抽出
・現場踏査により調査対象箇所を確定
・調査対象箇所の地形の現地計測
・地質、保全対象等の現地確認

・2万5千分の1の地形図により机上抽出
・地形、地質、保全対象等の現地確認

砂防関係施設の設置が必要な範囲を調査・検討

義務・制限

【土砂災害特別警戒区域内】
・特定開発行為に対する許可制
・建築物の構造規制、移転勧告
 
【土砂災害警戒区域内】
・宅地建物取引業者は、不動産取引時の重要事項説明
・要配慮者利用施設管理者は、避難確保計画の作成、避難訓練の実施

なし

土地の掘削、立木の伐採等、土砂災害を誘発する行為の制限

箇所数

堺市e-地図帳にて確認できます

同左

 


 

         

土砂災害防止法で区域指定されると

土砂災害警戒区域(イエローゾーン)
 急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域であり、危険の周知、警戒避難体制の整備が行われます。
1.市町村地域防災計画への記載
 土砂災害を防止・軽減するためには、土砂災害が生ずるおそれのある区域において土砂災害に関する情報の収集・伝達、予警報の発令及び伝達、避難、救助等の警戒避難体制を確立しておくことが大切です。このため、土砂災害に関する警戒避難体制について、 その中心的役割を担うことが期待される市町村防災会議が策定する市町村地域防災計画において、警戒区域ごとに警戒避難体制に関する事項を定めることとされています。
2.要配慮者利用施設における警戒避難体制
 警戒区域内の要配慮者利用施設(社会福祉施設、学校、医療施設その他の主として防災上の配慮を要する者が利用する施設)であって、要配慮者の円滑かつ迅速な避難を確保する必要がある場合には、市町村地域防災計画に要配慮者利用施設の名称及び所在地を記載するとともに、土砂災害に関する情報等の伝達方法を定めることとされています。
 また、警戒区域内の市町村地域防災計画に位置付けられた要配慮者利用施設の管理者等は、避難確保計画を作成し、その計画に基づいて避難訓練を実施することが義務づけられています。
3.土砂災害ハザードマップによる周知の徹底
 土砂災害による人的被害を防止するためには、住居や利用する施設の存する土地が土砂災害の危険性がある地域かどうか、緊急時にはどのような避難を行うべきか、 といった情報が住民等に正しく伝達されていることが大切です。このため、市町村長は市町村地域防災計画に基づいて区域ごとの特色を踏まえた土砂災害に関する情報の伝達方法、土砂災害のおそれがある場合の避難地に関 する事項及び円滑な警戒避難に必要な情報を住民に周知 させるため、これらの事項を記載した印刷物(ハザードマップ等)を配布し、その他必要な措置を講じることが 義務づけられています。

土砂災害ハザードマップイメージ

4.宅地建物取引における措置
 警戒区域では、宅地建物取引業者は、当該宅地又は建物の売買等にあたり、警戒区域内である旨について重要事項説明を行うことが義務づけられています。


土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
 急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域で、特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。
1.特定の開発行為に対する許可制
 特別警戒区域では、住宅・宅地分譲等や特に防災上の配慮を要する者が利用する社会福祉施設、学校及び医療施設の建築のための開発行為については、土砂災害を防止するために自ら施行しようとする対策工事の計画が、安全を確保するために必要な技術的基準に従っているものと都道府県知事が判断した場合に限って許可されることになります。
2.建築物の構造の規制
 特別警戒区域では、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがある建築物の損壊を防ぐために、急傾斜地の崩壊等に伴う土石等が建築物に及ぼす力に対して、建築物の構造が安全なものとなるように、居室を有する建築物については建築確認の制度及び構造規制が適用される場合があります。すなわち区域内の建築物の建築等に着手する前に、建築物の構造が土砂災害を防止・軽減するための基準を満たすものとなっているかについて、確認の申請書を提出し、建築主事又は指定検査確認機関の確認を受けることが必要になります。
3.建築物の移転等の勧告及び支援措置
 急傾斜地の崩壊等が発生した場合にその住民の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある建築物の所有者、管理者又は占有 者に対し、特別警戒区域から安全な区域に移転する等の土砂災害の防止・軽減のための措置について都道府県知事が勧告することが できることになっています。
 特別警戒区域内の施設整備にかかる防災工事や区域外への移転等に対しては、以下のような支援措置があります
(1)住宅金融支援機構の融資
地すべり等関連住宅融資は、特別警戒区域からの移転勧告に基づく家屋の移転、代替住宅の建設、土地の取得等に必要な資金の融資を受けられます。(融資金利の優遇措置有)
(2)住宅・建築物安全ストック形成事業による補助
特別警戒区域にある構造基準に適合していない住宅(既存不適合住宅)を特別警戒区域から移転し、代替家屋の建設を行う者に対し、危険住宅の除去等に要する費用及び危険住宅に代わる住宅の建設に要する費用の一部が補助されます。また、特別警戒区域内の既存建築物の土砂災害に対する建築物の安全性の向上を目的とした改修への補助制度を実施している自治体もあります。
4.宅地建物取引における措置
 特別警戒区域では、宅地建物取引業者は、特定の開発行為において、都道府県知事の許可を受けた後でなければ当該宅地の広告、売買契約の締結が行えず、当該宅地又は建物の売買等にあたり、特定の開発行為の制限に関する事項の概要について重要事項説明を行うことが義務づけられています。